連載 皮膚病理の電顕・2
皮膚結合織の病変(II)—一次性全身性アミロイド症(4)〜(6)
橋本 健
1
Ken Hashimoto
1
1Wright State University School of Medicine
pp.176-180
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202024
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一次性全身性アミロイド症(4)
図4 本図は図1Aに示した患者の眼瞼皮膚である.この部分には臨床的にも著明なアミロイドの浸潤があり,凡ての変化が正常にみえる皮膚の病変より顕著であるのは当然である.
図1C,Dで示した血管周辺部のアミロイド沈着を電顕でみると本図のようである.すなわち,細静脈の周囲を取り囲んでアミロイドの沈着が起こっている.拡大が大きいので弱拡大でみた時のように明瞭ではないが,アミロイドはやはり集塊(A)を形成して沈着し,決してdiffuseに拡散しているのではない.所々に残存した膠原線維(C)と,1コの弾力線維(E)の破片を除けば,血管周囲のスペースは完全にアミロイドによって置換されている.血管内皮細胞(E)の外側を取巻く基底板も数ヵ所(矢印)を除いて消失し,内皮細胞が直接アミロイドに接している.このような皮膚をつねるとpinch hemorrhageを起こすことは容易に想像できる.×15,000
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