連載 皮膚病理の電顕・4
皮膚結合織の病変(IV)—皮膚腫瘍とアミロイド
橋本 健
1
Ken Hashimoto
1
1Wright State University School of Medicine
pp.362-366
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202052
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皮膚腫瘍とアミロイド
図11皮膚アミロイド症,特に一次性限局性アミロイド症,および皮膚腫瘍に随伴するアミロイド1,2)の起源に関するもう1つの仮説は表皮あるいは腫瘍細胞由来説である.これらの疾患ではアミロイドは表皮—真皮境界部(図7),または腫瘍塊の近傍に限局して沈着する.
図Aは日光性角化症(actinic keratosis)で,角質真珠(horn pearl)が表皮の右下方にみえる.肥厚した表皮中にクリスタル紫で異染性(赤紫色)に染まるアミロイドが点在する.図Bでは,同様の染色性を有する小体が,表皮—真皮の境界部にみられる(異染性とはその色素本来の色と異なる色に染まる事をいう.即ち青紫色のクリスタル紫に赤く染まる物質は異染性を示すといえる).これらの異染性小体を電顕的に観察すると,図2,3で示したと同様なアミロイドの集塊が見出される1,2)(図11E参照).
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