連載 皮膚病理の電顕・6
皮膚結合織の病変(VI)—PUVAとCYTOID BODYアミロイドのまとめ
橋本 健
1
Ken Hashimoto
1
1Wright State University School of Medicine
pp.548-551
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
PUVAとCYTOID BODY
図13A Psoralenを投与した患者に長波長(320−400nm)の紫外線(UVA)を照射して乾癬を治療する方法,すなわちPUVA療法を施すと,表皮基底細胞の細線維性変性(filamentous degenera—tion)が起こり,光顕的には扁平紅色苔癬のそれと区別できないcytoid body (矢尻)が表皮下層—真皮上層にかけて出現する.本図ではPAS染色を示した.この染色性はヂアスターゼ消化によって消失しない.すなわちcytoid bodyは中性ムコ多糖類を含む.クリスタル紫で弱い異染性を示し,アルカリ性コンゴ赤に淡染するものがある.すなわちアミロイドの組織化学的特性も示す.
本図ではcytoid bodyの集塊が表皮基底層から真皮上層にかけてみられるが,PASに染まる基底膜(BL)がこの附近で破壊されているので,これらの小体が表皮内にあるのか,或は既に真皮に落下しているのかは不明である.小体1コ1コの大きさは附近の基底細胞の大きさとほぼ同一で,前者が後者の変性によって生じたと考えても無理がない.P:真皮乳頭
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.