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このたび私共はアムステルダム市で開催されたアメリカのSocietyfor investigative dermatology inc.(SID)とEuropean society fordermatological research (ESDR)の合同会議に参加する機会を得たので簡単にその印象をのべてみたい.この会議は皮膚の研究を目ざす両学会がはじめて1972年に同じアムステルダム市で会議をもち,今回はその2回目である.
第1回のときは49演題,8ワークショップを含む5sessionであつたというが,今回は71演題,16ワークショップ,4特別講演が行われ,その中には26の展示が含まれて全体として8 sessionからなり,各国から凡そ150名位が参加して6月9日から4日間にわたつて開催されたものである.会議の会場は同市のRIJ—WIEL AUTOMOBIEL INDUST—RIE (RAI)のInternational con—gresscentrumがあてられ,地元のR.H.Cormane教授の骨折によりI.A. Bernstein以下のJointProgram Committeeが企画運営した.この会場は約500人を収容できる極めて快適な施設で,甚だあかぬけのした運営に終始し,周囲のロビーをフルに利用した展示場と相まつて小気味よくアレンジされていた.会議の性格からいつて出題者は主にアメリカ,ヨーロッパに限られていたがその内訳をみると,アメリカ40題,イギリス6題,オランダ,オーストリア各4題,ベルギー,イタリー各3題,デンマーク2題,フランス,東独,西独,ポーランド,スエーデン及び日本各1題で,日本からのそれは私共のEpidermal inter—cellular binding of phytohemag—glutinins and pemphigus antibodyである.口演は1題につき12分,討論3分であるが司会者が手際良くこねをリードしたためすべてが円滑に進行することができた.特別溝演はそれぞれ毎日午後の1時間がこれにあてられ,L.C. Harberの薬剤による光線過敏反応の機序,J. Vaneのプロスタグランディン,R. Dob—sonのエックリン汗腺の機能及びH. Zur Hausenの腫瘍ウイルスの4題が行われたが,何れも綜説的なものであつた.なお,初日の9日には開会の言葉としてSID会長のJ.S. Straussの挨拶の他,ESDR会長のR.H. Cormaneが乾癬皮膚の螢光抗体所見について講演した.
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