印象記
「日豪合同皮膚科学会」に参加して
菊池 新
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
pp.282-283
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901806
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日豪合同皮膚科学会は1995年11月3日から5日までの3日間,オーストラリアのケアンズで開かれました.ケアンズはオーストラリア北東部,南回帰線のはるか北側の熱帯に位置し,有名なグレートバリアリーフの中心に存在する都市で,東京との時差もわずか1時間という好条件もあり,日豪合同皮膚科学会は予想を上回る盛会となりました.
まず感じたのは,おおらかなオートラリア人気質を反映してか,会頭の挨拶より先に学会場であるケアンズヒルトンホテルのプールサイドレストランで参加者の懇親を図るべくウェルカムランチがあり,私もプールサイドで,座長をして頂くことになっていた真っ黒なサングラスをしたAlanCooper先生やアデレードで開業している年収?千万という女医さんと話をする機会に恵まれました.そして驚いたのは,「日本で皮膚科医に診てもらうのにどのくらい待ちますか?」という彼女の質問に,慶應は混んでいるからと考えつつ「2時間ぐらい」と答えたところ,「そんなにすぐ診るのか」と仰天されてしまったことです.よくよくきいてみると,システムの違いこそあれ,オーストラリアには皮膚科専門医が極めて少なく,彼女のオフィスでは全予約制でしかも1日40人までしか診ないこともあって,予約して1,2ヵ月後にやっと診てもらえるとのことでした.当然皮膚科の保険点数も高いわけで,年収が軽く?千万になると電卓で計算していた日本の某メーカーの方に,「私と結婚したいの?」とジョークをとばしていたのが印象的でした.
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