Japanese
English
原著
Papillon-Lefevre症候群—初報告後4年,5年ならびに11年を経て観察しえた3例
THREE CASES OF PAPILLON-LEFEVRE SYNDROME
宮田 千珈子
1
Chikako MIYATA
1
1日本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.453-460
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201313
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初報告後4年,5年ならびに11年を経たPapillon-Lefevre症候群の3例を観察する機会を得たので,それぞれの現在の状態を述べ,初報告時と比較観察するとともに蒐集し得た11例の本邦報告例につき臨床事項の概説を試みた.
本症候群の皮疹は,生後数か月頃,掌脈または足臆に始まる例が多く,徐々に拡大し掌蹠のみならず手足の背面,指趾の背面におよび,さらに肘頭,膝蓋にも生ずる.一般に掌蹠角化の程度は高度であるがメレダ病ほど著しくなく,病巣部の多汗も伴つていない.これらの点で本邦例をみる限り本症候群とメレダ病とは若干皮膚所見を異にしているように思われる.歯周症は,多くは2〜3歳頃までに始まり,いかなる保存療法も効無く,ついにすべての乳歯を失い義歯を装着するに至る.永久歯もまた萠出後順次同じ運命をたどり,若年の頃より全義歯を装着せざるを得ない.
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