Japanese
English
原著
Papillon-Lefevre症候群—症例報告と本邦17例の集計
PAPILLON-LEFEVRE SYNDROME
丹野 憲二
1
,
加賀美 潔
1
,
中安 清
1
,
妹尾 美孝
2
,
中川 肇
2
Kenji TANNO
1
,
Kiyoshi KAGAMI
1
,
Kiyoshi NAKAYASU
1
,
Yoshitaka SENOO
2
,
Hajime NAKACAWA
2
1京都府立医科大学皮膚科学教室
2京都府立医科大学歯科
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Department of Dentistry, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.93-97
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201691
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4歳女児のPapillon-Lefevre症候群を報告し,本邦報告例17症例を集計,主として皮膚科的見地から本症候群の臨床を概説した.本邦17例中,女子が男子の約2倍を示し,10例に家系内血族結婚を,また4家系に同胞例を見出した.皮膚症状の発症年齢はほとんどが1歳未満であり,生後10日目て足底に皮疹を認めた例もある.歯周症の発症時期は,乳歯萠出後から4歳までであるが,初診時の年齢は3歳から25歳までで,12歳以下が17例中12例であり,本症候群は小児の疾患であることを示している.皮疹は手掌または足底に始まつて徐々に拡大し,掌・足底だけでなく手足の背面,指趾の背面にいわゆるtransgrediensに及び,さらに肘頭や膝蓋にもprogrediensに生ずる.掌・足底角化の程度は高度であるがメレダ病ほど著しくなく,局所多汗を特に強調した例はない.歯周症はいかなる保存療法も無効であり,乳歯の早期脱落後に一度消褪して正常にもどるが,永久歯の萌出と共に再び出現する.
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