Japanese
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綜説
クロロキン療法の現状—とくに適応症,副作用並びに作用機序について
THE PRESENT OF CHLOROQUINE THERAPY: INDICATIONS, SIDE-EFFECTS AND ACTION MECHANISMS
石原 勝
1
Masaru ISHIHARA
1
1東京逓信病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Teishin Hospital
pp.141-151
発行日 1969年2月1日
Published Date 1969/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200463
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I.はじめに
皮膚科領域で抗マラリヤ剤chloroquineが慢性円板状エリテマトーデス1)(以下E.と略記)や日光皮膚炎2)その他の治療に応用されるようになつてから既に15年の歳月を経過した。この間に皮膚科はもとより内科,整形外科方面でも本剤の適応症や副作用,更には製剤上の改良,塩の開発も行なわれて,多くの非ステロイド性抗炎症剤の登場をみた現在もなお不可欠の治療薬として認められている。
著者は先にE.に於ける皮膚素質についての研究3)を行なつた際,併せてchloroquineの諸皮膚疾患に対する治療効果並びにその作用機序についても検索したが,その後も諸家によつて幾多の研究成果が発表され,とくに近年は本剤による光線過敏症の発生や網膜障害などが注目されて居り,生化学的あるいは電顕的検索による作用機序の研究もみられるようになつて来た。
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