今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール
治療
クロロキン療法への反省
吉沢 久嘉
1
1国立相模原病院内科
pp.1150-1151
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204893
- 有料閲覧
- 文献概要
1951年Bronneckがはじめて抗マラリヤ剤を慢性関節リウマチ(RA)の治療に用い,さらに1953年Hayduが燐酸クロロキンを使用して著効をおさめて以来,クロロキン剤は金剤とともに長い間RAの特殊療法の一角を築いて今日にいたっている.この間二重盲検による1〜2年の長期の成績も発表されており1),RA治療上の効果については,一部なお疑問をいだくものがあるものの,大勢として認められている.
わが国においても,1960年佐々木らがクロロキン剤のRAへの使用成績を発表し,さらに間が1963年2)遅効性ではあるが自他覚症ともに改善されるとしてその有用性を報告して以来,ひろく使用されており,RAの治療上欠くべからざる薬剤の1つとなっている.その後の報告は数多く,いずれも胃腸障害,発疹,めまい,頭痛,不眠,視障害などの副作用については比較的軽微で,とくに眼症状についても,不可逆的な網膜症の発生には十分注意すべきだが,その発生はきわめてまれとされている.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.