Japanese
English
症例報告
頭頂部脱毛性腫瘤を呈した閉鎖性脳瘤(atretic cephalocele)の1例
A case of parietal atretic cephalocele presented with hairloss tumor
大方 詩子
1
,
藤尾 由美
1
,
舩越 建
1
,
野村 尚志
1
,
佐藤 美聡
1
,
横山 知明
1
,
永尾 圭介
1
,
天谷 雅行
1
Utako OKATA
1
,
Yumi FUJIO
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Hisashi NOMURA
1
,
Misato SATOH
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
,
Keisuke NAGAO
1
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
閉鎖性脳瘤
,
atretic cephalocele
,
皮膚髄膜腫
,
乳児頭部脱毛斑
,
D2-40
Keyword:
閉鎖性脳瘤
,
atretic cephalocele
,
皮膚髄膜腫
,
乳児頭部脱毛斑
,
D2-40
pp.615-620
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104078
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要約 生後3か月,女児.出生時より頭頂部に脱毛斑があり,徐々に隆起し弾性軟の紫紅色腫瘤を呈した.良性腫瘍を疑い2歳時に切除した.術中,腫瘤下部から索状構造物が頭蓋骨の小欠損孔を通して頭蓋内へ連続していた.病理組織像は膠原線維を分け入るような脈管様構造が主体で,免疫染色のEMA,NSE,D2-40が陽性で髄膜組織由来と考えられた.臨床像と病理組織所見から閉鎖性脳瘤(atretic cephalocele)と診断した.閉鎖性脳瘤は髄膜組織を皮下に認める稀な疾患で,発生過程の異常に起因すると考えられている.皮膚髄膜腫,異所性髄膜腫など複数の名称で報告がある.臨床像は出生時から認める頭頂部や後頭部正中の5~20mm大の脱毛斑・結節で,色調はさまざまである.病理組織像は脈管様構造や膠原線維で構成され,免疫染色のEMA,NSEとD2-40が陽性となる.閉鎖性脳瘤は脳奇形を合併することがあり,頭部MRIでの評価が重要である.
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