Japanese
English
症例報告
頭部に生じた汗孔腫の1例
A case of poroma of the head
大川 たをり
1
,
白井 洋彦
1
,
山村 弟一
1
Taori OKAWA
1
,
Hirohiko SHIRAI
1
,
Teiichi YAMAMURA
1
1市立堺病院皮膚科
1Division of Dermatology, Sakai Municipal Hospital, Sakai, Japan
キーワード:
エクリン汗孔腫
,
poroma
,
エクリン腺
,
アポクリン腺
Keyword:
エクリン汗孔腫
,
poroma
,
エクリン腺
,
アポクリン腺
pp.611-614
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104077
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要約 81歳,女性.約30年前より前頭部に軟らかい腫瘍を認めていた.表面がしばしばびらんし,徐々に増大した.初診時,右前頭部に径30×25mm,高さ10mmの暗赤色で弾性軟の有茎性腫瘍を認めた.放置していたところ約2年後に著明に増大し,再診時,腫瘍は約1.5倍の大きさで表面に黒色痂皮を伴い一部は潰瘍化していた.全摘した腫瘍の病理組織学的所見は小型で好塩基性腫瘍細胞が表皮と連続して増殖し胞巣を形成しており,胞巣内に大小多数の管腔様構造とその内腔に出血像と無定形物質認めた.臨床像,病理組織学的所見より汗孔腫と診断した.汗孔腫の典型例は四肢に好発する境界明瞭な紅色調の小結節とされるが,実際の臨床像は多様なため,術前診断に苦慮することも多い.自験例では短期間で腫瘍増大,潰瘍化し,悪性汗腺腫瘍への変化を疑ったが,腫瘍細胞に異型性を認めなかった.腫瘍への機械的刺激が重なって,悪性変化を疑わせるような臨床像を呈したと推察された.
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