総説
Cephalocele
横田 晃
1
,
山田 治行
1
Akira YOKOTA
1
,
Haruyuki YAMADA
1
1産業医科大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
cephalocele
,
encephalocele
,
cerebral malformation
Keyword:
cephalocele
,
encephalocele
,
cerebral malformation
pp.1067-1077
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901311
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
Cephalocele(頭瘤)またはencephalocele(脳瘤)とは先天的な頭蓋骨の欠損部(cranium bifidum)を通じて頭蓋内容が頭蓋外に脱出して嚢瘤を形成する奇形である.嚢瘤の内容が髄膜と髄液のみのものをmeningocele,神経組織がそのなかに含まれるものをencephaloceleまたはmemimgoencephaloceleと呼んでいるが,本稿ではence—phaloceleと言う用語をmeningoceleと対比させて用いることにする.Cephaloceleについてはこれまで多くの報告があるが,その病理形態に関する詳細な記載は比較的少なく,形態分類には不明確な点が残され,発生病態をめぐる議論には一致が見られない.また,最近になってその存在が知られるようになったcephaloceleの不全型の定義や類似の頭皮異常との異同が新たな問題を提起している.こうした形態上の問題点に加えて,cephalo—celeの発生部位の相違によって合併する頭蓋内外の奇形性異常の頻度や重症度が異なり,患児の予後にも影響を及ぼすことが指摘されている.本稿では自験例(既発表の症例74)に最近の6例を加えた46例)をもとに,cepha—loceleのもつ幾つかの問題点を取り上げてみた.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.