Japanese
English
症例報告
ダカルバジンによる光線過敏型薬疹の1例
A case of photosensitive drug eruption induced by dacarbazine
小林 紘子
1
,
大原 直樹
1
,
秀 道広
1
Hiroko KOBAYASHI
1
,
Naoki OHARA
1
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Biomedical & Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
キーワード:
ダカルバジン
,
光線過敏症
,
光毒性
,
光アレルギー性
,
persistent supravenous erythematous eruption
Keyword:
ダカルバジン
,
光線過敏症
,
光毒性
,
光アレルギー性
,
persistent supravenous erythematous eruption
pp.493-497
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104045
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要約 72歳,男性.左踵部の悪性黒色腫術後DAV-Feron療法第3クール施行中に,静脈の走行に沿った樹枝状の紅斑がみられた.ダカルバジン点滴終了直後の光照射試験では,UVA照射1時間後より紅斑が出現し,UVAのMEDは28mJ/cm2と著明に低下していた.しかし,ダカルバジン点滴終了15時間後にはUVAを照射しても紅斑は出現せず,ダカルバジンの血中濃度は0.1μg/ml未満に低下していた.出現した皮疹はvery strongのステロイドを外用し,数日後に色素沈着を残して消退した.光線過敏型薬疹を確認後からは,DAV-Feron療法を遮光下でダカルバジンを投与したところ紅斑は出現しなかった.ダカルバジンによる光線過敏型薬疹は,紫外線曝露から症状発現までの時間が短いこと,ダカルバジンの血中濃度に依存して光線過敏性が出現することなどからは,光毒性による機序が示唆される.しかし,皮疹を発現させるのに必要な紫外線量が極端に少ないこと,出現する皮疹の強さが光線量に依存しないことなどからは光アレルギー性の関与も考えられた.
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