Japanese
English
症例報告
サリドマイド誘導体レナリドミドによる薬疹の1例
A case of drug eruption caused by thalidomide analogue, lenalidomide
小島 清登
1
,
坂田 祐一
1
,
藤井 俊樹
1
,
望月 隆
1
Kiyoto KOJIMA
1
,
Yuichi SAKATA
1
,
Toshiki FUJII
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
1金沢医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Kanazawa Medical University, Kanazawa, Japan
キーワード:
レナリドミド
,
サリドマイド誘導体
,
薬疹
,
多発性骨髄腫
,
再投与
Keyword:
レナリドミド
,
サリドマイド誘導体
,
薬疹
,
多発性骨髄腫
,
再投与
pp.489-492
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104044
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要約 63歳,男性.2012年多発性骨髄腫に対しRd療法が開始された.2サイクル目より軀幹・下肢に皮疹が出現した.初診時,軀幹から下肢にかけて孤立性の浮腫性紅斑がみられ,一部は環状を呈した.皮膚生検で真皮上層の血管周囲性にリンパ球と少数の好酸球の浸潤を認めた.塩酸エピナスチン内服とジフルプレドナート軟膏外用で皮疹は数週で消失した.レナリドミドを用いたパッチテスト,リンパ球刺激試験は陰性であった.皮疹消失後,プレドニン10mg/日の投与下にレナリドミド5mgから再投与した.レナリドミドを15mgに増量時から環状の紅斑が両大腿伸側に再燃した.皮疹は治療サイクル間の休薬中に速やかに消失した.これらの臨床経過からレナリドミドによる薬疹と診断した.現在レナリドミドを20mgに増量しているが,皮疹の再燃は軽度であり投与継続が可能である.難治性骨髄腫では投与可能な薬剤が限られるため,皮疹の重症化に注意し再投与を試みる価値があると考えた.
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