Japanese
English
症例報告
魚鱗癬様菌状息肉症の1例
A case of ichthyosiform mycosis fungoides
松立 吉弘
1
,
仙崎 聖子
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
,
飛田 泰斗史
2
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Seiko SENZAKI
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Yasutoshi HIDA
2
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部皮膚科学分野
2大﨑皮膚科医院
1Department of Dermatology, Institute of Health Biosciences, The University of Tokushima Graduate School, Tokushima, Japan
2Oosaki Hifuka Clinic, Awa, Japan
キーワード:
魚鱗癬様菌状息肉症
,
後天性魚鱗癬
,
毛包性丘疹
Keyword:
魚鱗癬様菌状息肉症
,
後天性魚鱗癬
,
毛包性丘疹
pp.453-457
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104030
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要約 72歳,男性.約10年前より背部に皮疹を生じ,徐々に拡大した.初診時,顔面を除くほぼ全身に魚鱗癬様の鱗屑を付す紅褐色斑があり,大腿部で目立った.表在リンパ節は触知しなかった.病理組織では,密で層状に堆積した正常角化,顆粒層減少に加え,異型リンパ球の表皮内浸潤がみられた.異型リンパ球はCD3,CD4陽性,CD8陰性で,T細胞受容体Cβ1鎖,Jγ鎖の遺伝子再構成を認めた.sIL-2R 1,220U/mlと上昇,抗HTLV-1抗体陰性.リンパ節腫脹や悪性腫瘍を疑う所見はなかった.魚鱗癬様菌状息肉症と診断し,ナローバンド(NB)UVB療法により皮疹は軽快した.1か月後に前額などに毛包性丘疹が生じ,異型リンパ球の毛包への浸潤を認めたため,内服PUVA療法に変更した.その後皮疹は改善し,NBUVBを週1回0.8J/cm2照射している.魚鱗癬様菌状息肉症は魚鱗癬が唯一の症状のことがあり,臨床像のみでは後天性魚鱗癬との鑑別は難しい.後天性に生じた魚鱗癬様の皮疹では,本症も念頭に置く必要がある.
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