Japanese
English
症例報告
ステロイド全身投与中に生じた後天性魚鱗癬の2例
Two cases of acquired ichthyosis during systemic corticosteroid therapy
今井 健
1
,
横関 博雄
1
,
片山 一朗
1
,
西岡 清
1
Ken IMAI
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
,
Ichiro KATAYAMA
1
,
Kiyoshi NISHIOKA
1
1東京医科歯科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
後天性魚鱗癬
Keyword:
後天性魚鱗癬
pp.1081-1084
発行日 1996年12月1日
Published Date 1996/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902043
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ステロイドの大量投与が発症の誘因となったと考えられる後天性魚鱗癬の2例を報告した.症例1:11歳男.Schonlein-Henoch紫斑病および紫斑病性腎炎に対してステロイドパルス療法後プレドニゾロン60mg内服中に全身に魚鱗癬が出現.活性型ビタミンD3軟膏の外用が有効であった.症例2:15歳女.血小板減少症にて発症,抗RNP抗体高値を認め,ITP/MCTDの診断でプレドニゾロン55mgで開始し,漸減中に臀部,下肢を中心に魚鱗癬が出現.尿素軟膏が有効であった.2例とも家族歴なく,悪性腫瘍などの他の基礎疾患を認めず,他の薬剤投与もなく,ステロイドスルファターゼ値の低下は認められなかった.また魚鱗癬の消長は,原疾患の活動性と並行しなかった.このため,免疫異常をその基盤として,ステロイドの大量投与が魚鱗癬様皮膚の形成に何らかの役割を果たしている可能性が考えられた.
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