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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
4.皮膚疾患治療のポイント
皮膚慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するナローバンドUVB療法
Narrow-band ultraviolet B phototherapy for cutaneous chronic graft-versus-host disease
梅田 さやか
1
,
葉山 惟大
1
,
中島 久美子
1
,
谷ケ崎 博
2
,
照井 正
1
Sayaka UMEDA
1
,
Koremasa HAYAMA
1
,
Kumiko NAKAJIMA
1
,
Hiroshi TANIGASAKI
2
,
Tadashi TERUI
1
1日本大学医学部皮膚科学科系皮膚科学分野
2日本大学医学部小児科学科系小児科学分野
1Division of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University, Tokyo, Japan
2Department of Pediatrics, Nihon University, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚慢性GVHD
,
ナローバンドUVB療法
Keyword:
皮膚慢性GVHD
,
ナローバンドUVB療法
pp.105-109
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103980
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要約 症例1:10歳,男児.急性骨髄性白血病を発症し,末梢血幹細胞移植を施行後に慢性移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)を発症した.免疫抑制剤で軽快したが,肺炎にて免疫抑制剤を休薬後に,全身の紅斑が再発した.免疫抑制剤の代替としてナローバンド(NB)-UVB療法を開始し,軽快した.症例2:15歳,女児.急性リンパ性白血病を発症し,同種骨髄移植を施行後にGVHDを発症した.免疫抑制剤で全身の丘疹は軽快したが,強い掻痒が残存していた.NB-UVB療法を併用し,掻痒は軽快,また免疫抑制剤の減量にも成功した.GVHDの治療には免疫抑制剤の全身投与が必要であるが,大量投与や長期投与によりさまざまな副作用を生じるリスクがある.また免疫抑制剤に抵抗性が生じる症例がある.NB-UVB療法は慢性GVHDの皮膚症状を改善し,免疫抑制剤を使用し難い症例や減量が必要な症例の代替または併用療法として有用と考えられる.
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