Japanese
English
症例報告
皮膚転移巣より診断に至った甲状腺濾胞癌の1例
A case of follicular thyroid carcinoma diagnosed by skin metastatic lesion
平井 郁子
1
,
崎山 とも
1
,
木花 光
1
,
髙江 雄二郎
1
,
平川 昭平
2
,
中山 崇
3
Ikuko HIRAI
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Yujirou TAKAE
1
,
Shohei HIRAKAWA
2
,
Takashi NAKAYAMA
3
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院外科
3済生会横浜市南部病院病理部
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Surgery, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
3Division of Pathology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
甲状腺濾胞癌
,
転移性皮膚腫瘍
,
サイログロブリン染色
Keyword:
甲状腺濾胞癌
,
転移性皮膚腫瘍
,
サイログロブリン染色
pp.333-337
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103943
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要約 76歳,女性.25年前に他院での甲状腺穿刺細胞診で結節性甲状腺腫と診断された.定期的な超音波,血液検査で悪性所見は指摘されなかった.1年前より右前頸部に自覚症状のないしこりが出現した.下床と可動性のある1cm径の硬い淡紅色の結節で,病理組織学的に真皮~脂肪織内に楕円形の好塩基性細胞で構成される境界明瞭な腫瘍塊を認め,一部は濾胞様構造を形成していた.サイログロブリン染色で腫瘍細胞の細胞質が陽性だった.甲状腺濾胞癌皮膚転移疑いにて甲状腺全摘術を行い,甲状腺右葉濾胞癌,左葉乳頭癌と診断した.右葉の濾胞癌は皮膚病変と類似した病理組織像を呈し,被膜浸潤と静脈侵襲があり,前頸部の結節は甲状腺濾胞癌の皮膚転移巣と考えた.濾胞癌は稀な甲状腺分化癌で,転移してはじめて診断されることも多い.皮膚転移性腫瘍で原発巣が不明の場合,積極的に免疫組織学的検索を行うことが重要である.
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