Japanese
English
症例報告
ネフローゼ症候群を合併し,非定型的な臨床像を呈した手足口病の1例
A case of atypical hand-foot-mouth disease complicated with nephrotic syndrome
平井 郁子
1
,
崎山 とも
1
,
木花 光
1
,
佐藤 睦美
2
,
甲斐 純夫
2
Ikuko HIRAI
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Mutsumi SATOH
2
,
Sumio KAI
2
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院小児科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Pediatrics, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
手足口病
,
コクサッキーウイルスA6
,
ネフローゼ症候群
Keyword:
手足口病
,
コクサッキーウイルスA6
,
ネフローゼ症候群
pp.177-180
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103546
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要約 1歳7か月,女児.2011年7月下旬に37℃台の発熱と倦怠感で小児科を受診した.下腿浮腫と蛋白尿を認め,臀部から下肢にかけて多発する小水疱と紅色丘疹に対し,当科を紹介された.口腔内,手掌,足底には発疹は乏しく,手足口病としては非定型的な臨床像を呈したが,隣県で同時期に流行したコクサッキーA群6型(CA6)による非定型的な手足口病に酷似していた.さらに血液検査にてCA6抗体が高値であった.蛋白尿はネフローゼ症候群と診断し,ステロイド,免疫グロブリン投与で加療した.CA6による手足口病でネフローゼ症候群を合併したとの報告は今までにないが,ほぼ同時に発症した皮膚,腎症状よりウイルス感染による腎障害の可能性を考えた.コクサッキーウイルスを含むエンテロウイルス感染症は多彩な臨床像を呈するため,近県の発生情報にも留意する必要があると思われた.
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