Japanese
English
症例報告
ドセタキセルによる強皮症様皮膚硬化の1例
A case of scleroderma-like skin changes induced by docetaxel
崎山 とも
1
,
平井 郁子
1
,
木花 光
1
,
深澤 潔
2
Tomo SAKIYAMA
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Kiyoshi FUKASAWA
2
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院泌尿器科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama City Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Urology, Saiseikai Yokohama City Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
ドセタキセル
,
強皮症様皮膚硬化
Keyword:
ドセタキセル
,
強皮症様皮膚硬化
pp.663-666
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103734
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要約 82歳,男性.前立腺癌に対しドセタキセルを投与開始した2か月後より両足背から下腿に鈍痛と浮腫が出現し,4か月後より同部に軽度発赤を伴う硬化を認めるようになった.投与終了後も症状改善なく,当科を受診した.手指や顔面には皮膚硬化を認めない.病理組織学的に真皮に膠原線維の増生を認めた.抗核抗体,抗Scl-70抗体,抗セントロメア抗体は陰性であった.ステロイド外用を行うも改善は認めていない.タキサン系薬剤による強皮症様皮膚硬化の22例の集計で,投与から発症までは1年未満と短く,皮膚硬化は部位が多様だが,ドセタキセルでは下腿のみの例が過半数を占め,Raynaud現象は少なく,抗核抗体陽性はあるが,抗セントロメア抗体や抗Scl-70抗体は陽性例はない.早期に薬剤を中止しステロイド投与を行えば改善をみるが,進行症例では無効なため,早期診断が重要である.
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