Japanese
English
特集 甲状腺外科—最新の臨床
甲状腺濾胞癌の病理の課題
Surgical pathology of follicular carcinoma-recent problems
亀山 香織
1
,
高見 博
2
Kaori KAMEYAMA
1
1慶應義塾大学医学部病理診断部
2帝京大学医学部外科
キーワード:
甲状腺濾胞癌
,
病理形態学
,
診断基準
,
異型腺腫
,
細胞診
Keyword:
甲状腺濾胞癌
,
病理形態学
,
診断基準
,
異型腺腫
,
細胞診
pp.1357-1361
発行日 2001年10月20日
Published Date 2001/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407905322
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甲状腺濾胞癌の病理学的診断の問題点として4点を取り上げた.1)被膜浸潤および脈管侵襲の有無をみる現在の診断基準は悪性腫瘍の有する特徴のうち,特に浸潤能のみを重視したものである.2)異型腺腫で認められる細胞異型は悪性化に伴うものではなく,変性による核の変化であり,良性腫瘍であるとする立場がある一方で,良悪性の境界病変である,あるいは他の臓器でいうcarcinoma in situに相当するなどといった見解もある.3)濾胞癌の組織内における不均一性が細胞診の精度を下げる1つの要因となっている.4)甲状腺自体は腺腫様甲状腺腫でありながら,遠隔転移をきたす例が存在し,臨床的に大きな問題となっている.
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