Japanese
English
症例報告
イトラコナゾール内服と温熱療法が著効したスポロトリコーシスの1例
A case of sporotrichosis successfully treated with itraconazole and local hyperthermia
平井 郁子
1
,
笠井 弘子
1
,
崎山 とも
1
,
木花 光
1
,
佐藤 友隆
2
Ikuko HIRAI
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Tomo SAKIYAMA
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Tomotaka SATO
2
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2国立病院機構東京医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Dermatology, National Hospital Organization Tokyo Medical center, Tokyo, Japan
キーワード:
スポロトリコーシス
,
ヨウ化カリウム
,
イトラコナゾール
,
温熱療法
Keyword:
スポロトリコーシス
,
ヨウ化カリウム
,
イトラコナゾール
,
温熱療法
pp.455-459
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103676
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要約 78歳,男性.2010年12月に自宅の裏山の木で左上腕を傷つけた.創部が潰瘍化し難治のため,約2か月後に当科に紹介された.左上腕に2~3cm径の潰瘍を2か所認めた.病理組織学的に,真皮浅層から中層にかけての好中球,リンパ球を主とした稠密な炎症細胞の浸潤と,一部にasteroid bodyを認めた.生検皮膚よりSporothrix schenckiiを培養同定し,皮膚固定型スポロトリコーシスと診断した.ヨウ化カリウムを内服し600mg/日まで増量したところでめまいや胃部不快感が出現したため,450mg/日に減量し内服を継続した.5か月後に総投与量約60gで瘢痕治癒したが,1か月後に再燃し,温熱療法とイトラコナゾール200mg/日内服で治癒した.近年,スポロトリコーシスの治療において,ヨウ化カリウムや温熱療法の他に,イトラコナゾール奏効例の報告が増加している.両薬剤の特徴を踏まえ,患者背景やコンプライアンスに併せた治療が必要と思われた.
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