増刊号 臨床ですぐ役立つ! 診療ガイドライン・手引き・指針のポイント解説
耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域
11.甲状腺疾患
甲状腺乳頭癌・濾胞癌・未分化癌・髄様癌
伊藤 康弘
1
1隈病院外科
キーワード:
甲状腺乳頭癌
,
甲状腺濾胞癌
,
甲状腺未分化癌
,
甲状腺髄様癌
,
ガイドライン
Keyword:
甲状腺乳頭癌
,
甲状腺濾胞癌
,
甲状腺未分化癌
,
甲状腺髄様癌
,
ガイドライン
pp.188-190
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970050188
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POINT
◆甲状腺超低リスク乳頭癌は,腫瘍の位置によっては積極的経過観察の適応となる。また,リスク分類によって乳頭癌の手術術式,術後療法を前もってきちんと計画することが大切である。
◆甲状腺濾胞癌は通常初回手術は片葉切除であるが,病理検査で血管浸潤が顕著であるとされた症例には補完全摘および術後放射性ヨウ素投与を検討する。
◆甲状腺未分化癌は予後不良であり,集学的治療をもって臨むべきである。根治手術前の術前薬物療法,根治手術後の術後療法(化学療法および放射線療法)はいずれも推奨される。
◆甲状腺髄様癌は,診断時にRET遺伝子変異の有無をみる必要がある。変異のない散発性髄様癌で片側性ならば片葉切除を,変異があれば全摘を施行する。また,遺伝子変異がある場合は,甲状腺手術の前に副腎の精査(褐色細胞腫の有無)を施行すべきである。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.