Japanese
English
症例報告
腋窩に生じたアポクリン腺癌の1例
A case of apocrine carcinoma of the axilla
有本 理恵
1
,
鈴木 教之
1
,
武市 拓也
1
,
松本 高明
1
,
山田 元人
1
Rie ARIMOTO
1
,
Noriyuki SUZUKI
1
,
Takuya TAKEICHI
1
,
Takaaki MATSUMOTO
1
,
Motohito YAMADA
1
1豊橋市民病院皮膚科
1Division of Dermatology,Toyohashi Municipal Hospital,Toyohashi,Japan
キーワード:
アポクリン腺癌
,
腋窩
,
化学療法
Keyword:
アポクリン腺癌
,
腋窩
,
化学療法
pp.144-147
発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103173
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要約 56歳,男性.初診3か月前から右腋窩に腫瘤を自覚し,当科を受診した.初診時50×40×55mmの紅色ドーム状の腫瘤であった.生検にてアポクリン腺癌と診断し,腫瘤より2cm離して切除し,右腋窩リンパ節郭清を行った.リンパ節転移を認めたため,術後化学療法〔フルオロウラシル(5-FU)+シスプラチン(CDDP)〕を1クール行った.しかし,その後受診せず,治療が中断した.約2年後,右不全麻痺を呈し,脳転移が判明した.脳神経外科にて開頭腫瘍摘出術が行われた.術後は頭部への放射線療法(60Gy)と化学療法(マイトマイシンC+エピルビシン+ビンクリスチン+CDDP+5-FU)を5クール施行した.化学療法終了後7か月の現在,再発および新たな転移を認めていない.リンパ節転移をきたしたアポクリン腺癌には化学療法や放射線療法が必要とされているが,確立された治療法はまだない.本症例では2種類の化学療法を選択して施行した.一般的に進行性腺癌は化学療法に抵抗性であるとされているが,自験例の結果からは積極的に試みるべき治療法であると考えられた.
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