Japanese
English
症例報告
健常女性の大腿部に生じたMycobacterium chelonae感染症の1例
A case of Mycobacterium chelonae infection on the thigh in a healthy woman
伊勢 美咲
1
,
安田 文世
1
,
木花 いづみ
1
,
村松 重典
2
Misaki ISE
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Shigenori MURAMATSU
2
1平塚市民病院皮膚科
2おしげ皮フ科クリニック
1Division of Dermatology, Hiratsuka city hospital, Hiratsuka, Japan
2Oshige Dermatology Clinic, Hiratsuka, Japan
キーワード:
Mycobacterium chelonae
,
健常
,
女性
,
大腿
Keyword:
Mycobacterium chelonae
,
健常
,
女性
,
大腿
pp.175-179
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103898
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要約 60歳,女性.特記すべき既往や外傷歴はない.約6週間前より左大腿後面の浸潤性紅斑を自覚し,近医で抗生剤内服・外用を行ったが改善せず,当科を紹介された.紅暈を伴う4cm大の暗赤色局面で,波動を触れ,軽度の圧痛を伴っていた.表面の一部より黄色漿液性の滲出液を認めた.滲出液および生検組織の培養で,1週間以内に白色コロニーを確認し,Mycobacterium chelonaeと同定した.クラリスロマイシン開始後,3週間で色素沈着を残して消退した.本疾患は免疫抑制状態や外傷が誘因となる一方で,健常者に誘因なく生じた例も報告されている.自験例では,就労中に罹患部を露出した状態で木製の椅子に座ることが頻回にあり,軽微な外傷が誘因となった可能性も示唆された.本症の部位,年齢,時期,性別には一定の特徴があり,これらが合致する症例においては,基礎疾患のない患者でも積極的に本症を鑑別に挙げることが重要と考える.
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