Japanese
English
症例報告
側頭筋下より頭蓋内に及んだ皮様囊腫の1例
A dermoid cyst which intruded into the intra-cranial space underneath the temporal muscle destroying the temporal bone and muscle
黒岡 定浩
1
,
渡邉 奈津子
1
,
加藤 敦子
1
Sadahiro KURO-OKA
1
,
Natsuko WATANABE
1
,
Atsuko KATO
1
1大阪回生病院皮膚科
1Division of Dermatology,Osaka Kaisei Hospital,Osaka,Japan
キーワード:
頭蓋内
,
皮様囊腫
Keyword:
頭蓋内
,
皮様囊腫
pp.231-234
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102535
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要約 47歳,男性.約10年前より気づいた左側頭部の約5cm大の皮下腫瘤を主訴に受診した.腫瘤はMRI上,T1,T2ともに強調像を示し側頭筋下から頭蓋内に及んでいた.生検時には腫瘍内部より毛髪の排出を認め,病理組織所見では悪性所見はなく,線維化した肉芽組織を認めた.臨床経過とあわせて皮様囊腫と考え全摘出術を施行した.腫瘤は側頭筋下に存在し,側頭骨と頰骨の一部を融解し頭蓋内に及び,硬膜に接する形で存在していた.硬膜との癒着は軽度で容易に剝離可能であったため,硬膜は温存できた.頭蓋骨が欠損した硬膜露出部分のみ腸骨移植を行った.全摘した腫瘤の病理組織学的所見では,化膿性炎症を伴う肉芽組織が中心で悪性細胞は認めず,皮様囊腫と診断した.
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