Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に合併した胸骨周囲膿瘍の1例
A case of peri-sternal abscess associated with ulcerative colitis
青島 正浩
1
,
津嶋 友央
1
Masahiro AOSHIMA
1
,
Tomohisa TSUSHIMA
1
1富士市立中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Fuji City General Hospital, Fuji, Japan
キーワード:
胸骨周囲膿瘍
,
潰瘍性大腸炎
,
SAPHO症候群
,
壊疽性膿皮症
Keyword:
胸骨周囲膿瘍
,
潰瘍性大腸炎
,
SAPHO症候群
,
壊疽性膿皮症
pp.165-168
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103896
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要約 49歳,男性.12年前に掌蹠膿疱症の治療歴があり,5年前より潰瘍性大腸炎にてメサラジン1,000mg/日で治療されていた.2年前に,前胸部大胸筋下に膿瘍がみられ,他院外科にてドレナージなどで治療され,4か月の経過で治癒した.初診5日前より前胸部に熱感,圧痛を伴う腫脹,発赤が出現した.WBC 16,900/μl,CRP 23.7mg/dlと上昇しており,MRI検査にて胸骨周囲に巨大な膿瘍を認めた.入院の上,切開排膿し,7日目に切開創から凝血塊を含む700mlの出血がみられた.血管造影検査にて,右内胸動脈に仮性動脈瘤を認め,出血源と考えコイル塞栓術を行った.膿汁の細菌,真菌,抗酸菌培養は陰性であり,血清G-CSFは1,860pg/mlと高値であった.潰瘍性大腸炎に伴う無菌性膿瘍と考え,プレドニゾロン40mg/日の投与を開始し,著効したため漸減し退院した.その後,インフリキシマブ5mg/kgの投与が開始され,10か月間膿瘍の再発はない.潰瘍性大腸炎に胸骨周囲膿瘍を合併したきわめて稀な症例と考えた.
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