Japanese
English
症例報告
顔面に多発した皮膚B細胞性偽リンパ腫の1例
A case of multiple cutaneous B cell pseudolymphoma on the face
田中 敬子
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Keiko TANAKA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology, School of medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚B細胞性偽リンパ腫
,
悪性リンパ腫
,
顔面
,
多発性
Keyword:
皮膚B細胞性偽リンパ腫
,
悪性リンパ腫
,
顔面
,
多発性
pp.160-164
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103895
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要約 79歳,男性.初診の3年前から鼻部と両耳後部に誘因なく軽度掻痒のある紅色結節が出現し増大した.当科受診時,径7mm大までのドーム状紅色結節を7か所認めた.病理組織像では,表皮直下にgrenz zoneを有し,真皮全層にかけてリンパ球中心に組織球,好酸球を混じるリンパ濾胞様構造を認め,tingible body macrophageも認められた.CD20,CD79α陽性のBリンパ球が胚中心性に優勢を占め,その周辺部にCD3,CD5陽性Tリンパ球が浸潤していた.皮膚生検組織で,TCRCβ1,TCRJγの遺伝子再構成はなく,免疫グロブリンκ鎖,λ鎖ともに散在性に染色されクローナリティーを認めず,皮膚B細胞性偽リンパ腫と診断した.しかし,生検後1か月半以内に3か所の皮疹新生を認め臨床的には難治性であった.組織学的には悪性の所見を認めないものの,局所に多発する偽リンパ腫は慎重な経過観察を要すると考えた.
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