Japanese
English
症例報告
遠隔転移判明後約2年間QOLを維持できたMerkel細胞癌の1例
A case of Merkel cell carcinoma with distal metastasis treated without impairing the patient's QOL for nearly two years
刑部 全晃
1
,
横山 智哉
1
,
尾本 陽一
1
,
波部 幸司
1
,
山中 恵一
1
,
水谷 仁
1
Masaaki GYOUBU
1
,
Tomoya YOKOYAMA
1
,
Youichi OMOTO
1
,
Koji HABE
1
,
Keiichi YAMANAKA
1
,
Hitoshi MIZUTANI
1
1三重大学医学部附属病院皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Mie University, Graduate School of Medicine, Tsu, Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
放射線療法
,
化学療法
,
タキサン系抗癌剤
Keyword:
Merkel細胞癌
,
放射線療法
,
化学療法
,
タキサン系抗癌剤
pp.611-615
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205163
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要約 81歳,女性.約6年前に右臀部結節を自覚,近医にて切除後,病理組織検査にて悪性腫瘍を疑われ当院を紹介され受診した.Merkel細胞癌と診断し拡大切除および右鼠径リンパ節郭清,術後放射線療法を実施した.約2年前に左腎から膵に浸潤する腫瘍を認め転移と診断,同部位に放射線照射を行い,腎機能を考慮しプラチナ系製剤の使用を控え,タキサン系製剤を化学療法として選択した.新たな転移巣に対し適宜放射線療法を併用しながら,ドセタキセルを約10か月投与,その後パクリタキセルを約11か月投与し緩和治療へ移行した.緩和治療へ移行するまでの間,患者のQOLを大きく損なうことなく治療継続が可能であった.Merkel細胞癌は進行例での治療法は確立されていないが,患者の身体状況に合わせたレジメン,集学的治療が重要と考える.
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