Japanese
English
症例報告
肺転移をきたした巨大基底細胞癌の1例
A case of giant basal cell carcinoma with lung metastasis
新谷 友香
1
,
金久 史尚
1
,
小森 敏史
1
,
浅井 純
1
,
竹中 秀也
2
,
加藤 則人
1
Yuka SHINTANI
1
,
Fuminao KANEHISA
1
,
Satoshi KOMORI
1
,
Jun ASAI
1
,
Hideya TAKENAKA
2
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
2京都市立病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan
2Division of Dermatology, Kyoto City Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
肺転移
,
放射線療法
,
化学療法
Keyword:
基底細胞癌
,
肺転移
,
放射線療法
,
化学療法
pp.307-312
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206307
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要約 80歳,男性.当科初診の3年前から右上腕に小潰瘍・丘疹を自覚していたが,放置していた.初診1か月前に健康診断で肺野の結節影を指摘された.その後,精査のため受診した近医内科で右腋窩リンパ節の腫大も確認されたため,当科を紹介され受診した.初診時,右上腕に周堤状に隆起する硬結を伴った11×13cm大の皮膚潰瘍局面がみられた.皮膚生検で基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)の所見が得られた.右上腕のMRI検査では上腕骨骨膜への浸潤が疑われ,PET-CT検査では多発肺転移,右胸膜播種,右腋窩・鎖骨上窩リンパ節転移を認めた.以上より,基底細胞癌pT3N2M1 stage Ⅳと診断し,ドセタキセル療法,および右上腕原発巣・右腋窩リンパ節転移部への放射線療法による化学放射線療法を開始した.その後はドセタキセル単剤療法を継続したが,転移性病変は増大傾向を示し,初診から45か月後に死亡した.BCCの転移症例は稀で既報告例も少なく,集学的治療に際しては十分な検討が必要である.
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