Japanese
English
症例報告
顔面に生じたdeep penetrating dermatofibromaの1例
A case of deep penetrating dermatofibroma of the face
馬場 裕子
1
,
岡田 絵美子
1
,
稲積 豊子
1
,
瀬在 由美子
2
Yuko BABA
1
,
Emiko OKADA
1
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Yumiko SEZAI
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
2セザイ皮フ科しゅういち内科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
2Sezai Dermatology Shuichi Medical Clinic, Akiruno, Japan
キーワード:
deep penetrating dermatofibroma
,
皮膚線維腫
,
顔面
,
隆起性皮膚線維肉腫
Keyword:
deep penetrating dermatofibroma
,
皮膚線維腫
,
顔面
,
隆起性皮膚線維肉腫
pp.38-42
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103863
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要約 53歳,女性.4か月前より右眉部内側に径15×9mm大,下床と可動性不良な淡紅色の硬結が生じた.病理組織像は典型的な皮膚線維腫と類似していたが,画像所見より前頭筋表面への浸潤が疑われたため,肉眼的境界より2mm離して前頭筋の一部を含めて切除した.真皮から皮下織にかけて異型性に乏しい紡錘形細胞が,花むしろ状・索状に増殖し,腫瘍巣を形成していた.辺縁の筋と脂肪織に炎症性細胞浸潤を伴いながら楔状に浸潤し,境界不明瞭であった.以上より皮膚線維腫の亜型で皮下織内に深く浸潤するdeep penetrating dermatofibromaと診断した.顔面に発生する皮膚線維腫は比較的稀であり,周囲組織へ強い浸潤傾向を示す症例では悪性疾患との鑑別に難渋する.また良性腫瘍であっても不十分な切除では局所再発の報告があり,本疾患では腫瘍の浸潤の程度と,整容面を考慮した切除範囲の検討が重要であると考えられた.
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