Japanese
English
症例報告
右側腹部の紅色結節に生じた黒色のaneurysmal fibrous histiocytomaの1例
Aneurysmal fibrous histiocytoma arising from red papule of the abdomen
馬場 裕子
1
,
趙 光日
1
,
稲積 豊子
1
,
田村 啓彦
2
Yuko BABA
1
,
Gwangil CHO
1
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Akihiko TAMURA
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
2福生市
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital, Tachikawa, Japan
2Fussa, Japan
キーワード:
aneurysmal fibrous histiocytoma
,
線維性組織球腫
,
皮膚線維腫
Keyword:
aneurysmal fibrous histiocytoma
,
線維性組織球腫
,
皮膚線維腫
pp.321-325
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204711
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要約 32歳,男性.初診5年前より右側腹部に紅色丘疹を認めた.1年前より隣接して黒色斑が出現し急速に増大した.初診時,右側腹部に径20mm大の紅色結節と隣接して径15mm大の黒色結節を認めた.腫瘍は真皮内の境界明瞭な腫瘍巣を呈し,紅色結節では紡錘形細胞と組織球が花筵状に増殖し,黒色結節では同様の所見に加え血管内皮細胞に裏打ちされない空隙と拡張した管腔形成を認めた.両結節で泡沫細胞が島状に増殖していた.これらの結節は同様の腫瘍細胞から構成され,一連の腫瘍と考えられた.病理組織学的に線維性組織球腫(fibrous histiocytoma:FH)の特徴と,管腔や裂隙形成を認めることより,FHに二次的な外的刺激が加わることで生じた亜型aneurysmal fibrous histiocytoma(AFH)と診断した.FHは亜型の多い腫瘍として知られるが,自験例は泡沫細胞の増加とAFHの要素を併せ持つ複合型の亜型と考えられ,FHの二次的変化を二段階で追える興味深い病理組織像を呈していた.
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