Japanese
English
症例報告
鼻背部に生じたリンパ管への分化傾向を示す脈管肉腫の1例
A case of cutaneous angiosarcoma with lymphangiosarcomatous differentiation on the nasal dorsum
岡村 賢
1
,
川口 雅一
1
,
上原 香子
1
,
矢口 順子
1
,
村田 壱大
1
,
片桐 美之
1
,
鈴木 民夫
1
,
加藤 智也
2
,
山川 光徳
2
Ken OKAMURA
1
,
Masakazu KAWAGUCHI
1
,
Koko UEHARA
1
,
Yoriko YAGUCHI
1
,
Ichidai MURATA
1
,
Yoshiyuki KATAGIRI
1
,
Tamio SUZUKI
1
,
Tomoya KATO
2
,
Mitsunori YAMAKAWA
2
1山形大学医学部皮膚科学講座
2山形大学医学部病理診断学講座
1Department of Dermatology, Yamagata University School of Medicine, Yamagata, Japan
2Department of Histopathology, Yamagata University School of Medicine, Yamagata, Japan
キーワード:
脈管肉腫
,
D2-40
,
Hobnail cell
Keyword:
脈管肉腫
,
D2-40
,
Hobnail cell
pp.986-990
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103815
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要約 83歳,男性.2012年3月に右鼻背部の紅色腫瘤に気付いた.拡大傾向にあったため,近医皮膚科を経由し,6月に当科を受診した.右鼻背部に径20×20mm,高さ3mmの凹凸のある紅色腫瘤を認め,周囲に径33×24mmの紅斑がみられた.病理組織像では,真皮上層から皮下にかけて核異型を伴う類上皮細胞様細胞が充実性あるいは索状に増殖していた.一部ではHobnail cell(鋲釘様細胞)を含む内皮細胞様の細胞が不規則な管腔様の裂隙を形成していた.免疫染色では,腫瘍細胞はD2-40,抗Factor Ⅷ抗体,抗CD31抗体で染色され,CD34は発現していなかった.PET/CTではリンパ節転移・遠隔転移を認めなかった.10mmマージンで切除し植皮した後,ドセタキセル(25mg/m2)の投与と60Gy/30分割の局所放射線照射を併用した.自験例では予後の異なる血管肉腫とリンパ管肉腫の鑑別が困難であった.病理組織学的に,D2-40の染色パターン,Hobnail cellの有無,管腔内外の赤血球の有無などが鑑別に有用であると考えた.
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