Japanese
English
症例報告
若年者に発症し,鼠径リンパ節転移を認めた大腿部脈管肉腫の1例
A case of cutaneous angiosarcoma on the left thigh with inguinal lymph node metastasis in a young man
澤田 美穂
1
,
舩越 建
1
,
内田 理美
1
,
種瀬 啓士
1
,
畑 康樹
2
,
相原 英雄
3
,
佐々木 文
4
,
亀山 香織
4
,
谷川 瑛子
1
Miho SAWADA
1
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Rimi UCHIDA
1
,
Keiji TANESE
1
,
Yasuki HATA
2
,
Hideo AIHARA
3
,
Aya SASAKI
4
,
Kaori KAMEYAMA
4
,
Akiko TANIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2済生会横浜市東部病院皮膚科
3医療法人健希会あいはらクリニック皮フ科形成外科
4慶應義塾大学病院病理診断部
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama, Japan
3Aihara Clinic, Yokohama, Japan
4Division of Diagnostic Pathology, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
脈管肉腫
,
若年者
,
大腿部
,
鼠径部リンパ節転移
Keyword:
脈管肉腫
,
若年者
,
大腿部
,
鼠径部リンパ節転移
pp.523-527
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205142
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要約 19歳,男性.2015年7月に左大腿内側に赤褐色の結節を自覚し,増大したため近医で単純切除された.発症前に外傷や下肢の浮腫はなかった.病理組織像では表皮直下から脂肪織にかけて核異型を伴う血管内皮様細胞が浸潤増殖し,一部に脈管形成を認めた.腫瘍細胞はCD31,D2-40が陽性でリンパ管マーカーで優位に染色された.PET-CTで術創部と左鼠径リンパ節に異常集積を認めた.前医での切除部残存病変から2cmの側方マージンで全摘出し,左鼠径リンパ節郭清術後,術後補助療法としてDG療法(ドセタキセル75mg/m2;第8日,ゲムシタビン1,000mg/m2;第1,8日)を3クール実施した.自験例は若年者の大腿部に発症した脈管肉腫で,代表的な病型のいずれにも当てはまらない非常に稀な症例であった.文献的考察により若年発症例では発症部位,基礎疾患,誘因,予後は多様であり,一定の傾向がないことがわかった.
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