Japanese
English
症例報告
足背に生じた脈管肉腫の1例
A Case of Angiosarcoma on the Back of the Foot
福田 知雄
1
,
小林 孝志
1
,
秋山 真志
1
,
川久保 洋
1
,
杉 俊之
1
,
原田 敬之
1
Tomoo FUKUDA
1
,
Takashi KOBAYASHI
1
,
Masashi AKIYAMA
1
,
Yo KAWAKUBO
1
,
Toshiyuki SUGI
1
,
Takashi HARADA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
脈管肉腫
,
真皮メラノサイト
,
Ulex europaeus aggulutinin-I(UEA-I)
,
Weibel-Palade顆粒
,
DAV-C療法
Keyword:
脈管肉腫
,
真皮メラノサイト
,
Ulex europaeus aggulutinin-I(UEA-I)
,
Weibel-Palade顆粒
,
DAV-C療法
pp.151-155
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900032
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右足背に原発し,同側下肢7カ所に転移の認められた脈管肉腫の54歳女子例を報告した.組織学的に,真皮全層にわたり多数の管腔を形成する腫瘍細胞の増殖が認められた.腫瘍細胞はUlex europaeus aggulutinin-I(UEA−1)染色で強陽性,免疫組織化学的には第Ⅷ因子関連抗原弱陽性であった.また,腫瘍間質には散在性一部集簇性に真皮メラノサイト様細胞が認められた.これらの細胞はS−100蛋白染色で陽性像を示した.さらに電顕的検索を施行,腫瘍細胞内にWeibel-Palade顆粒と細胞質内小腔隙を確認した.また,真皮メラノサイト様細胞は種々のステージのメラノゾームとexternal laminaを有することを確認した.以上の所見より,自験例を真皮メラノサイトの増殖を伴った脈管肉腫の1例と診断した.治療は,放射線療法に化学療法(DAV-C)を併用し,原発巣腫瘤の縮小傾向が認められた.
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