Japanese
English
症例報告
環状丘疹性梅毒の1例
A case of syphilis papulosa annularis
高木 奈緒
1
,
福地 修
1
,
松尾 光馬
1
,
伊藤 寿啓
1
,
中川 秀己
1
Nao TAKAGI
1
,
Osamu FUKUCHI
1
,
Koma MATSUO
1
,
Toshihiro ITO
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
顕症梅毒
,
第2期梅毒
,
環状丘疹性梅毒
Keyword:
顕症梅毒
,
第2期梅毒
,
環状丘疹性梅毒
pp.817-821
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103771
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要約 27歳,女性.初診の約4か月前から,体幹,頭部に鱗屑を伴う紅斑が多発し,前医を受診した.受診時極端なるい痩を呈し,微量元素欠乏による皮膚炎,乾癬などの炎症性角化症を疑われ,ステロイド外用剤で治療されていた.しかし,徐々に皮疹が拡大してきたため,当科を紹介受診した.辺縁に鱗屑を伴う環状紅色局面が体幹に多発し,中心部は褐色調を呈していた.生検時の検査上,梅毒血清反応が陽性であり,定量ではTPHA 10,240倍,ガラス板法512倍であった.HIV抗体は陰性であった.病理組織学的所見では,不全角化,表皮突起の延長,角層下膿疱,真皮の血管周囲に形質細胞を含む細胞浸潤を認めた.皮疹の性状および病理組織学的所見より第2期梅毒である環状丘疹性梅毒疹と診断し,アモキシシリン1,500mg/日の内服を開始し皮疹は4週後に色素沈着を残して消退した.非特異的な環状皮疹をみた場合,梅毒を念頭に置く必要があり,梅毒血清反応検査を積極的に行う必要がある.
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