Japanese
English
症例報告
Chronic expanding hematomaを疑った外傷性横紋筋融解症の1例
A case of traumatic rhabdomyolysis mimicking chronic expanding hematoma
一宮 誠
1
,
柏木 圭介
1
,
若松 研弥
1
,
武藤 正彦
1
Makoto ICHIMIYA
1
,
Keisuke KASHIWAGI
1
,
Kenya WAKAMATSU
1
,
Masahiko MUTO
1
1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Ube, Japan
キーワード:
chronic expanding hematoma
,
外傷性
,
横紋筋融解症
Keyword:
chronic expanding hematoma
,
外傷性
,
横紋筋融解症
pp.822-824
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103772
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要約 72歳,男性.初診約3か月前,交通事故にて背部を強打した.その後,同部が徐々に腫大したため,当科を受診した.背部に手拳大の波動を触れる軟らかい皮下腫瘤を認めた.血中クレアチニンキナーゼ値は正常で,MRI T1強調画像で,内部は高信号で,一部には低信号領域が混在していたことから,chronic expanding hematomaを疑った.しかし切除術を施行したところ,茶褐色を呈する融解した筋組織を認めた.病理組織検査においても,線維化を伴った,壊死した筋組織を認めた.以上から,外傷性横紋筋融解症と診断した.自験例は,交通事故直後には,受傷部位の急激な腫脹や重篤な腎障害は生じなかったが,3か月後に,囊腫様病変を呈するという,非常に稀な経過をとった.
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