Japanese
English
今月の症例
環状丘疹性梅毒疹の1例
A case of syphilis papulosa annularis
八谷 美穂
1
,
田中 諒
1
,
石井 奏憲
2
,
齋藤 京
1
Miho HACHIYA
1
,
Ryo TANAKA
1
,
Yasunori ISHII
2
,
Hitoshi SAITO
1
1さいたま市立病院皮膚科
2医療法人社団すみれ会石井クリニック
1Division of Dermatology, Saitama City Hospital, Saitama, Japan
2Ishii Clinic, Saitama, Japan
キーワード:
環状丘疹性梅毒疹
,
抗スピロヘータ抗体
,
men who have sex with men
,
MSM
Keyword:
環状丘疹性梅毒疹
,
抗スピロヘータ抗体
,
men who have sex with men
,
MSM
pp.104-108
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205310
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要約 23歳,男性.半年前から同性間性交渉があり,初診2か月前から,陰囊と陰茎に中心治癒傾向があり,辺縁に拡大する環状丘疹を多数認めた.梅毒血清反応と,病理組織像および抗スピロヘータ抗体を用いた免疫染色から,環状丘疹性梅毒疹と診断した.アモキシシリン内服後,皮疹は速やかに消退した.環状丘疹性梅毒疹の病名での本邦報告例は自験例を含め6例と少ない.報告例では男性が多く,年齢は20〜40歳,発症部位は外陰部のみならず頭部から軀幹までさまざまであった.国内外の統計的な報告でも,梅毒疹が環状皮疹を呈することは比較的稀であるとされていた.一方で,ここ数年,本邦の梅毒患者の増加率はきわめて高く,非特異的な環状皮疹を見た際に,鑑別疾患として梅毒を念頭に置くことが重要である.
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