Japanese
English
症例報告
縫合不全部に生じたカンジダ性肋軟骨炎の1例
A case of candida costochondritis occurring on an anastomotic insufficiency wound
森本 亜里
1
,
市川 尚子
1
,
松井 はるか
1
,
河原 由恵
1
,
関 博章
2
,
中村 雄介
2
Ari MORIMOTO
1
,
Naoko ICHIKAWA
1
,
Haruka MATSUI
1
,
Yoshie KAWAHARA
1
,
Hiroaki SEKI
2
,
Yusuke NAKAMURA
2
1けいゆう病院皮膚科
2けいゆう病院外科
1Division of Dermatology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
2Division of Surgery, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
カンジダ性肋軟骨炎
,
Candida albicans
,
肋軟骨・肋骨切除
Keyword:
カンジダ性肋軟骨炎
,
Candida albicans
,
肋軟骨・肋骨切除
pp.451-454
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103675
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要約 71歳,男性.特発性食道破裂の手術直後より左開胸創の縫合不全が生じ,当院外科で10か月間局所処置し,抗生剤を投与したが改善せず当科受診した.当科初診時,排膿を伴う不良肉芽に充塡される瘻孔を認めた.画像検査上肋軟骨部への炎症波及はみられず,瘻孔切除術を施行,術中瘻孔先端に腐軟骨を認めたため除去した.肋軟骨部の摘出標本ではGrocott染色にて真菌要素を認め,組織培養よりCandida albicansと同定した.術後イトラコナゾール,ホスフルコナゾールを投与したが縫合不全が再発したため,当院外科にて左第8,第9肋骨・肋軟骨部分切除を伴ったデブリードマンを施行した.術後イトラコナゾール内服を2か月間継続とし,術後20か月の現在再発は認めていない.本症は診断に苦慮することが多く,また保存療法では軽快せず広範囲な肋軟骨・肋骨切除が必要となるため,頻度は稀であるが患者背景によっては念頭に置くべき疾患として注意を要する.
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