Japanese
English
症例報告
急激な皮疹の増悪後に診断に至った毛孔性紅色粃糠疹の1例
A case of pityriasis rubra pilaris diagnosed after rapid exacerbation
中村 善雄
1
,
山本 享子
1
,
布袋 祐子
1
Yoshio NAKAMURA
1
,
Kyoko YAMAMOTO
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
毛孔性紅色粃糠疹
,
急性増悪
,
難治
,
脂漏性皮膚炎
Keyword:
毛孔性紅色粃糠疹
,
急性増悪
,
難治
,
脂漏性皮膚炎
pp.410-415
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103667
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要約 61歳,女性.数年前より脂漏性湿疹と診断されステロイド外用などにより加療されていたが,初診約1か月前より皮疹の拡大を認めた.初診時露光部を中心に著明な浮腫,熱感,掻痒を伴う落屑性紅斑を認めたが毛孔性紅色粃糠疹(pityriasis rubra pilaris:PRP)の典型疹を欠いており,乾癬や全身性接触皮膚炎などを考えた.しかし,その後皮疹は急激に拡大し,背部の毛孔一致性の角化,掌蹠の蝋様光沢を伴うオレンジ色のびまん性角化などPRPの典型疹を呈するようになった.病理組織像では毛孔角栓と表皮肥厚,checker board patternを呈しPRPと診断した.エトレチナート内服にて皮疹は著明に改善したが,嘔気,脱毛などの副作用が出現したため,漸減すると皮疹は再燃した.シクロスポリンを投与したが効果は乏しく治療に難渋した.PRPは多彩な臨床経過をたどり,初期の皮疹では診断困難な場合があるため注意すべきと思われた.
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