Japanese
English
症例報告
うっ滞性皮膚炎より発生した巨大基底細胞癌の1例
A case of giant basal cell carcinoma arising from the stasis dermatitis
馬場 裕子
1
,
加茂 真理子
1
,
白樫 祐介
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Yuko BABA
1
,
Mariko KAMO
1
,
Yusuke SHIRAKASHI
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka City Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
うっ滞性皮膚炎
,
下腿潰瘍
,
基底細胞癌
Keyword:
うっ滞性皮膚炎
,
下腿潰瘍
,
基底細胞癌
pp.1069-1073
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103486
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要約 92歳,男性.初診の4年前より両下腿にうっ滞性皮膚炎があり,潰瘍化してきたため当科を受診した.外用剤と弾性ストッキングの着用で加療していたが,初診より3年半後に左下腿外側の潰瘍局面内に径20×30mm大の隆起性腫瘤が出現した.生検病理組織像で真皮内に一部表皮と連続して腫瘍細胞の胞巣状増殖を認め,基底細胞癌と診断した.潰瘍の辺縁より10mm離し筋膜を含め拡大切除し,現在まで再発,転移はない.下腿潰瘍上に悪性腫瘍が発生することは比較的稀で,しかも,そのほとんどが有棘細胞癌である.下腿潰瘍上に基底細胞癌が発生した症例は本邦初であり,海外でも100例に満たない.潰瘍上に発生した腫瘍は,発見が遅れやすく,腫瘤形成はなくても,適切な治療にもかかわらず治癒が遅延する,潰瘍が拡大する場合には,悪性腫瘍の発生も念頭に置くべきである.
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