Japanese
English
症例報告
Tailgut cystの1例
A case of tailgut cyst
加茂 真理子
1
,
白樫 祐介
1
,
藤本 篤嗣
1
,
福積 聡
2
,
杉浦 丹
1
Mariko KAMO
1
,
Yusuke SHIRAKASHI
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Satoshi FUKUZUMI
2
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター形成外科
1Division of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
2Division of Plastic Surgery, Teikyo University Chiba Medical Center, Ichihara, Japan
キーワード:
tailgut cyst
,
円柱線毛上皮
,
移行上皮
Keyword:
tailgut cyst
,
円柱線毛上皮
,
移行上皮
pp.155-158
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103541
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 44歳,女性.仙骨部の自覚症状のない皮下腫瘤に気付き来院した.径4.5×3cm大,軽度隆起し波動性であった.灰黄色の無菌性膿汁が穿刺,吸引され,MRIでは皮下から連続して直腸と尾骨先端の間に至る多房性の囊胞を示した.病理組織学的に囊胞壁内層上皮は多列円柱線毛上皮,扁平上皮から構成されており,tailgut cystと診断した.Tailgut cystは,胎生期に認められる尾腸(tailgut)の遺残物よりなる囊胞であり,仙骨部の腫瘤または軽度の疼痛や違和感を契機に気付かれることが多い.病理組織学的には良性であることが多いが稀に悪性化の報告もあるため,囊胞の完全切除が必要となる.他の囊胞性疾患と鑑別のためにも稀な疾患ではあるが仙骨部皮下腫瘤の鑑別疾患として知っておきたい.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.