Japanese
English
症例報告
先天性筋緊張性ジストロフィーに合併した多発石灰化上皮腫の1例
A case of multiple calcifying epitheliomas associated with congenital myotonic dystrophy
平井 郁子
1
,
甲田 とも
1
,
木花 光
1
Ikuko HIRAI
1
,
Tomo KOHTA
1
,
Akira KONOHANA
1
1済生会横浜市南部病院皮膚科
1Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama-shi Nanbu Hospital, Yokohama, Japan
キーワード:
石灰化上皮腫
,
先天性筋緊張性ジストロフィー
,
家系内発生
,
全身麻酔
Keyword:
石灰化上皮腫
,
先天性筋緊張性ジストロフィー
,
家系内発生
,
全身麻酔
pp.1065-1068
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103485
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要約 15歳,男性.母親が筋緊張性ジストロフィーで,頭部の多発石灰化上皮腫に対し摘出術歴がある.患者は2歳時に精神発達障害と母の罹患歴より先天性筋緊張性ジストロフィーと診断された.初診の約2か月前より右肩部に水疱様外観を呈する腫瘍があり,3cm大に拡大した.また,前額部,左上背部にも15mm大までの硬い皮下結節を認めた.精神発達遅滞が著明であり,摘出術の際は全身麻酔を要した.病理組織学的にいずれも好塩基性の細胞と好酸性の陰影細胞より構成される腫瘍巣で,石灰化上皮腫と診断した.近年,筋緊張性ジストロフィーと石灰化上皮腫の合併の報告は増加している.特に,頭部を中心とした多発例や家族内発生が多く,遺伝的背景の存在が示唆されている.筋緊張性ジストロフィーの臨床像は軽症のものから重篤なものまで多岐にわたるため,その臨床特性および周術期に留意するべき点を含め,若干の文献的考察を加え報告した.
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