Japanese
English
症例報告
耳介,鼻および気管軟骨に病変を認めた再発性多発軟骨炎の1例
A case of relapsing polychondritis in cartilage of auricle,nose and trachea
加茂 真理子
1
,
白樫 祐介
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Mariko KAMO
1
,
Yusuke SHIRAKASHI
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology,Shizuoka Municipal Shimizu Hospital,Shizuoka,Japan
キーワード:
再発性多発軟骨炎
,
耳介軟骨炎
,
気管軟骨炎
,
呼吸機能検査
Keyword:
再発性多発軟骨炎
,
耳介軟骨炎
,
気管軟骨炎
,
呼吸機能検査
pp.963-967
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103096
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 45歳,女性.初診時,右耳輪部の発赤,耳介皮膚の肥厚を伴う左耳の変形,鞍鼻を認めた.初診の数か月前に左耳介に今回と同様の症状が出現し,2か月前には近医耳鼻科にて喉頭蓋炎と診断された.画像検査で気道軟骨,胸骨肋軟骨結合部の炎症,呼吸機能検査は閉塞性障害を示した.右耳介部の生検病理組織像では軟骨近傍の筋組織内に好中球,リンパ球の浸潤を認めた.これらの所見より,再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis:RP)と診断し,プレドニゾロン50mg内服による加療を開始したところ,約3日で症状および呼吸機能を含めた検査所見の改善が得られた.RPの好発部位のうち,気道病変は進行すると変形による気道狭窄や肺炎を生じ,致死的となる可能性がある.自験例での経過から,CTなどの画像検査と並び,呼吸機能検査がRPの気道病変の評価に有用である可能性が示唆された.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.