Japanese
English
症例報告
ブレオマイシンによるflagellate erythemaの1例
A case of bleomycin-induced flagellate erythema
加茂 真理子
1
,
白樫 祐介
1
,
藤本 篤嗣
1
,
杉浦 丹
1
Mariko KAMO
1
,
Yusuke SHIRAKASHI
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology,Shizuoka Municipal Shimizu Hospital,Shizuoka,Japan
キーワード:
ブレオマイシン
,
ブレオマイシン皮膚炎
,
flagellate erythema
,
scratch dermatitis
,
hodgkinリンパ腫
Keyword:
ブレオマイシン
,
ブレオマイシン皮膚炎
,
flagellate erythema
,
scratch dermatitis
,
hodgkinリンパ腫
pp.763-767
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103045
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要約 69歳,男性.Hodgkinリンパ腫に対し,ドキソルビシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジン(ABVD)療法を施行した.第1クール2回目終了後,両手掌・後頸部に強い掻痒感を自覚した.掻破により両手掌に小豆大~うずら卵大の浸潤を伴う紅色局面,後頸部には線状に隆起する紅斑が出現した.無治療で症状は改善したが第2クール目開始に伴い,皮疹が再燃した.非典型疹であったが,ブレオマイシン皮膚炎(flagellate erythema)と診断し,ブレオマイシンを除いた3剤の化学療法を継続したところ,皮疹は再燃しなかった.掻破行動はflagellate(鞭で叩いたような)erythemaの誘発・増悪因子となる.ブレオマイシン投与後に掻痒感が出現した際には,早期にこれを抑制することが症状の増悪防止に役立つと考えた.
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