Japanese
English
今月の症例
非外傷性浅側頭動脈瘤の1例
A case of non-traumatic superficial temporal artery aneurysm
加茂 真理子
1
,
白樫 祐介
1
,
藤本 篤嗣
1
,
福積 聡
2
,
杉浦 丹
1
Mariko KAMO
1
,
Yusuke SHIRAKASHI
1
,
Atsushi FUJIMOTO
1
,
Satoshi FUKUZUMI
2
,
Makoto SUGIURA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
2帝京大学ちば総合医療センター形成外科
1Division of Dermatology,Shizuoka Municipal Shimizu Hospital,Shizuoka,Japan
2Division of Plastic Surgery,Teikyo University Chiba Medical Center,Ichihara,Japan
キーワード:
浅側頭動脈瘤
,
真性動脈瘤
,
非外傷性
,
拍動性腫瘤
,
CT angiography
Keyword:
浅側頭動脈瘤
,
真性動脈瘤
,
非外傷性
,
拍動性腫瘤
,
CT angiography
pp.998-1001
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102759
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要約 65歳,男性.左前頭髪際部に径10mm大の弾性やや軟,拍動を有するドーム状の腫瘤を認めた.MR angiography(MRA)にて動脈瘤や動静脈奇形などが疑われたが診断確定に至らなかったためCT angiography(CTA)を施行した.左浅側頭動脈前頭枝途中より囊状に突出する動脈瘤が描出され,浅側頭動脈瘤と診断された.局所麻酔下に摘出術を行い,病理組織学的に真性動脈瘤と診断した.浅側頭動脈瘤は外傷後に生じる仮性動脈瘤が大半で,真性動脈瘤は2割程度である.真性動脈瘤の発症原因はムコ多糖の沈着や動脈硬化性変化などによる壁の脆弱化と考えられてきたが,実際に証明されている症例は少ない.原因の不明な症例の背景に共通性はなく,発症には多因子の関与が予想される.特に誘因なく生じた頭頸部の腫瘤性病変に対して真性動脈瘤も鑑別の1つに挙げ,その診断にはCTAが有用であると考えた.
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