Japanese
English
症例報告
発疹性黄色腫の1例
A case of eruptive xanthomas
深谷 早希
1
,
石川 武子
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Saki FUKAYA
1
,
Takeko ISHIKAWA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
発疹性黄色腫
,
高脂血症
Keyword:
発疹性黄色腫
,
高脂血症
pp.861-864
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103430
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要約 50歳,男性.父親の兄弟に高脂血症があり,本人も30歳台より高脂血症を指摘されていた.3か月前に自覚症状のない小丘疹が右肘頭部と手に出現し増数した.現症では,粟粒大から半米粒大までの黄色から紅色の小丘疹が右肘頭部に集簇し,同様の皮疹が手にも散在していた.総コレステロール410mg/dl,トリグリセリド3,430mg/dlと著明な高脂血症を認めた.病理組織像では真皮浅層の血管周囲にリンパ球,組織球が主体の炎症細胞浸潤を認めた.泡沫細胞も少数混在し,細胞質中の脂肪滴の表面蛋白であるアディポフィリンに対する抗体で陽性に染色された.薬物療法は行わず食事療法のみで皮疹は消失した.発疹性黄色腫は高トリグリセリド血症に伴う重要なデルマドロームである.また,病理組織所見で泡沫細胞は少なく,抗アディポフィリン抗体による染色が診断の一助となる.
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