Japanese
English
症例報告
尿漏れパッド接触部位にみられた臀部肉芽腫の1例
A case of granuloma gluteale over the incontinence pad
中森 利枝
1
,
中井 大介
1
,
水野 麻衣
1
,
巽 一啓
1
,
馬渕 恵理子
1
,
池上 隆太
1
Toshie NAKAMORI
1
,
Daisuke NAKAI
1
,
Mai MIZUNO
1
,
Motohiro TATSUMI
1
,
Eriko MABUCHI
1
,
Ryuta IKEGAMI
1
1大阪厚生年金病院皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka Kosei-Nenkin Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
臀部肉芽腫
,
寝たきり
,
尿漏れパッド
Keyword:
臀部肉芽腫
,
寝たきり
,
尿漏れパッド
pp.857-860
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103429
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要約 96歳,女性.施設入居中で寝たきり状態.初診の1年以上前から頻回の尿失禁がみられた.2008年6月ごろ外陰部に皮疹が出現し,拡大傾向を認めた.臀部の尿漏れパッドが接する部位に一致して灰白色~赤褐色の丘疹,結節が局面となり敷石状の外観を呈していた.尿検査ではProteus mirabilis,アルカリ尿であった.臨床および病理組織学的所見より臀部肉芽腫と診断した.排尿管理,レボフロキサシン300mg/日内服を開始したところ皮疹は速やかに改善し,約1か月ほどで略治となった.自験例では皮疹が尿漏れパッド接触部位に一致し,排尿管理にて著明に改善したことから,アルカリ尿や細菌尿の存在下で尿漏れパッドによる慢性的な刺激が皮膚に加わったことが主な原因と考えられた.
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