Japanese
English
症例報告
異型ポルフィリン症の1例
A case of variegate porphyria
山田 英明
1
,
中尾 由絵
2
,
中野 創
3
,
澤村 大輔
3
,
上出 良一
1
Hideaki YAMADA
1
,
Yoshie NAKAO
2
,
Hajime NAKANO
3
,
Daisuke SAWAMURA
3
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科
2荏原病院皮膚科
3弘前大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Daisan Hospital, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Ebara Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine, Hirosaki, Japan
キーワード:
異型ポルフィリン症
,
プロトポルフィリノーゲン酸化酵素
Keyword:
異型ポルフィリン症
,
プロトポルフィリノーゲン酸化酵素
pp.865-869
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103431
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 36歳,女性.異型ポルフィリン症の1例を報告した.3年前より前腕伸側末梢から手背にかけて小外傷でびらん,瘢痕,色素沈着を生じやすくなった.最近になり全身倦怠感が出現した.血中プロトポルフィリンは125μg/dl RBCと軽度上昇,尿中ウロポルフィリン正常,尿中コプロポルフィリン471μg/g/Crと高値,また糞便中にコプロポルフィリンIは892μg/24h,コプロポルフィリンIIIは6,968μg/24hと高値であった.病理組織学的所見では表皮真皮境界部,真皮上層の毛細血管周囲,汗管周囲にPAS染色陽性物質の沈着を認めた.遺伝子検索でプロトポルフィリノーゲン酸化酵素の突然変異(イントロン6のc.616+1G>A)があり,異型ポルフィリン症と診断した.露光部の陳旧性瘢痕,神経症状を認める場合は,本症を想起して検索する必要がある.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.