Japanese
English
症例報告
胃癌切除を契機に紅斑,水疱が著明に改善した水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid remarkably improving after resection of gastric cancer
小野 祥子
1
,
黒川 晃夫
1
,
金田 一真
1
,
平川 結賀
1
,
森脇 真一
1
Shoko ONO
1
,
Teruo KUROKAWA
1
,
Kazuma KANEDA
1
,
Yuka HIRAKAWA
1
,
Shinichi MORIWAKI
1
1大阪医科薬科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka Medical and Pharmaceutical University, Osaka, Japan
キーワード:
悪性腫瘍
,
抗BP180抗体
,
水疱性類天疱瘡
,
早期胃癌
Keyword:
悪性腫瘍
,
抗BP180抗体
,
水疱性類天疱瘡
,
早期胃癌
pp.679-685
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206447
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要約 64歳,男性.初診の5か月前,顔面,体幹,四肢に紅斑,水疱が出現し徐々に悪化したため当科に紹介された.初診時,顔面,体幹,四肢に,緊満性水疱を伴う浮腫性紅斑が多発していた.病理組織学的には表皮下水疱の所見を呈し,抗BP180抗体が高値であったため水疱性類天疱瘡と診断した.ステロイドパルス療法,免疫グロブリン大量静注療法を施行後,ステロイド内服量を漸減し,プレドニゾロン11mg/日の維持量にて長期間経過良好であった.ステロイド投与量を11mg/日に維持して15か月後,紅斑,水疱の再燃を認め,全身の精査を行ったところCEAが高値を示し,消化管内視鏡検査にて3か所の早期胃癌が確認された.内視鏡的に胃癌全病変を切除したところ,その直後から紅斑,水疱は速やかに改善し,抗BP180抗体値も著明に低下した.自験例において水疱性類天疱瘡の病態が胃癌と深く関与していた可能性が示唆された.
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